2009.10.24 Saturday
2009/10/24

たったひとことの
すき。
それだけが言えなくて。
溢れ出しそうになるキモチを
ただ ただ 押し殺して。
彼の首に巻き付けた腕に ぎゅっと力込めて
その愛しさに酔いしれて。
* * *
1911
暗く長い廊下で
番号の書かれたドアーの前で
やけに眩しい携帯電話の光にビクビクしながら
彼の名前を探す。
小さく開いた扉の向こうに、小さな笑みをこぼす彼がいて。
ヒソヒソと 両隣にいるから と合図をする。
ついさっきまで、たくさんの人たちと一緒にいて、
その中ではただの友達を演じきっていたのに。
オレンジ色の照明の小さな部屋に踏み込んだ途端
彼の笑顔に安心して
今すぐにでも抱きしめてほしい
そんな欲望にかき立てられて。
そっけないフリしたヒソヒソ声の会話の途中、
突然すくっとわたしの体を持ち上げ、
「おひめさま」
そう言ってはにかんで
やさしく真っ白なシーツに運ぶ彼の腕の中で
小さく足をばたつかせて。
* * *
一緒にむかえる2度目の朝は、あっという間で。
慌ただしく帰る支度をする彼の後ろ姿を見送って。
また会える? 次はいつ会える? 行かないで? ギュッてして?
そんなかわいい我が儘でさえ言葉にできなくて。
大人のフリして 平気なフリして
バイバイって手を振って。
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